長年仕事をしながらも音楽を手放さず、ようやく「自分らしく生きる」時間を持てるようになった今、その音楽の力を、誰かの笑顔や元気につなげたいと思うようになりました。 特にデイサービスに通う高齢の方々には、音楽が懐かしさや安心感を届けてくれると信じています。 歌をきっかけに、ふっと心がほどけたり、昔を思い出して笑顔になったたり… そんな時間を一緒に過ごせたら、私自身も幸せです。
当日は、駅から少し歩いた静かな住宅街の中にある、あたたかみのあるデイサービス施設に伺いました。 入口から中の様子がうかがえる、明るく開かれた雰囲気で、来る人の心をほっとさせてくれました。 スタッフの方々はとても穏やかで、利用者さん一人ひとりに丁寧に声をかけながら、安心感のある空気を作っておられました。 演奏前には「楽しみにしてましたよ」と笑顔で迎えてくださり、演奏中もあたたかく見守ってくださって、本当にやりやすい雰囲気でした。 利用者の方々もリラックスした様子で、曲が始まると自然に手拍子が起こったり、一緒に口ずさんでくださったり…。 まるで大きなおうちのような、優しさとぬくもりに包まれた時間でした。
今回の演奏で、改めて感じたのは「音楽の力って本当にすごい」ということでした。 言葉がなくても、メロディーが心にすっと入り込んで、気持ちがつながる瞬間があるんですよね。 中でも印象的だったのは、あるご高齢の方が、最初は少し表情が硬かったのですが、 馴染みのある曲を口ずさみながら、ふわっと笑顔になってくださったこと。 その表情の変化に、思わずこちらが胸を打たれました。 また、スタッフの方々が利用者さん一人ひとりに丁寧に寄り添っている様子を見て、 「関わるすべての人の優しさが、空間全体をあたたかくしているんだな」と感じました。 音楽はただの演奏ではなく、「心を届ける手段」なんだと、改めて気づかせてもらった時間でした。